2024/25は20位のサウサンプトンが、 アトレティコの配分額を上回った
2024/25シーズンの放映権収入などの配分で、プレミアリーグ20位のサウサンプトンは約1億2,760万ユーロを受け取った。ラ・リーガでこれより多かったのはレアル・マドリードとバルセロナだけで、アトレティコ・デ・マドリードは1億817万ユーロだった。差の主な原因は配る総額の大きさで、プレミアは海外向けの放映権からの分配だけで、ラ・リーガの配分総額を上回る。そのうえプレミアは総額の約68%を全クラブに均等に配っていて、ラ・リーガで均等に配るのは1部の取り分の50%だ。配る総額の内訳、順位やテレビ中継で上乗せされる分の決まり方、投資ファンドのCVCとの合意による調整には、それぞれ章を立てた。
プレミアは2025年7月1日、ラ・リーガは2025年12月22日に、それぞれ2024/25の配分額を公表している。サウサンプトンの公表額は1億920万ポンドで、ユーロの額は欧州中央銀行(ECB)の2025年6月30日の参照レート、1ユーロ=0.8555ポンドで換算したものだ。アトレティコはサウサンプトンより約1,950万ユーロ、割合にして約15%少ない。2025/26の金額も英国の報道に出ているが、The Athleticによる推計として紹介されているもので、リーグの公式の表ではないため使っていない。
| クラブ | リーグ | 2024/25の配分額 |
|---|---|---|
| リバプール(1位) | プレミア | 約2億440万ユーロ(1億7,490万ポンド) |
| レアル・マドリード | ラ・リーガ | 1億5,792万ユーロ |
| バルセロナ | ラ・リーガ | 1億5,645万ユーロ |
| サウサンプトン(20位) | プレミア | 約1億2,760万ユーロ(1億920万ポンド) |
| アトレティコ・デ・マドリード | ラ・リーガ | 1億817万ユーロ |
| アスレティック・クラブ | ラ・リーガ | 7,226万ユーロ |
| レガネス | ラ・リーガ | 3,993万ユーロ |
ラ・リーガの額はLaLiga Impulso(CVCとの合意)による調整後で、各クラブが負担する分を引く前の金額。レガネスはラ・リーガで最も少なかったクラブ。前の2023/24シーズンも、プレミア最下位のシェフィールド・ユナイテッドがアトレティコより多く受け取っていた。
プレミアは海外向けの放映権だけで、 ラ・リーガの総額を上回る
2024/25にプレミアが20クラブへ配った総額は28億3,360万ポンド、約33億1,200万ユーロで、ラ・リーガの約2.3倍にあたる。内訳は英国内の放映権から12億7,360万ポンド、海外の放映権から14億200万ポンド、リーグのスポンサー契約などによる商業収入から1億5,800万ポンドで、海外の分が国内の分より多い。海外の分だけで約16億3,900万ユーロになり、ラ・リーガが1部と2部に配った14億3,212万ユーロに降格クラブへの補償3,327万ユーロを足した額よりも大きい。
プレミアの額には、20クラブに同額(各790万ポンド)で配るリーグの商業収入も入っているが、それを引いてもラ・リーガの2倍を超える。サウサンプトンもこの分を引くと約1億1,840万ユーロで、アトレティコより多い。
プレミアは約7割を均等に配り、 1位と20位の差は1.6倍
2024/25の総額のうち約68%は、全クラブに同じ額が入る均等分だった。1クラブあたり、英国内の放映権から2,980万ポンド、海外から5,920万ポンド、商業収入から790万ポンドの計9,690万ポンドになる。残りは、順位に応じた支払い(メリット)が約20%、テレビで放送された試合ごとの支払い(ファシリティ・フィー)が約12%を占める。サウサンプトンの1億920万ポンドのうち約9割は均等分で、メリットは国内160万ポンド、海外100万ポンドだった。1位リバプールの1億7,490万ポンドとの差は約1.6倍にとどまる。
配り方はリーグの規則で決まっている。英国内の放映権収入は、一部の支出を差し引いた残りの半分を均等分に、4分の1をメリットに、4分の1をファシリティ・フィーに充てる。均等分からは、降格したクラブへの支払いも出る。順位で口数が決まるのはメリットだけで、1位が20口、2位が19口と1口ずつ減り、20位は1口になる。海外の放映権収入は、毎季決まる基準額までを均等に配り、超えた分は原則としてメリットと同じ口数で配る。商業収入は原則として均等に配る。
ラ・リーガは法律で配分を決め、 均等に配るのは1部の半分
ラ・リーガの配分は、スペインの王令法5/2015で決まっている。放映権収入の90%が1部、10%が2部に割り当てられ、1部の取り分は50%を均等に、残りを半分ずつ競技成績と社会的影響力で配る。成績の分は直近5シーズンの順位で、社会的影響力の分は入場料収入とテレビ中継への貢献で決まる。計算の中身は、4位のアトレティコが3位のジローナより多く受け取った2023/24シーズンのコラムで詳しく説明している。
2024/25の調整前の額では、最多のレアル・マドリードが1億4,669万ユーロ、最少のレガネスが4,100万ユーロで、差は約3.6倍あった。調整後の額で見ると、アトレティコは1部の配分総額12億9,209万ユーロの約8.4%を受け取っていて、20クラブで均等に分けた場合の5%を上回る。サウサンプトンの取り分はプレミアの総額の約3.9%だが、配る総額が大きいので、割合で上回るアトレティコより多くなる。
CVCとの合意で、 ラ・リーガの配分表には金額が2列ある
ラ・リーガの配分表には、王令法の基準どおりの額と、LaLiga Impulsoによる調整後の額が並んでいる。LaLiga Impulsoは投資ファンドのCVCが19億9,400万ユーロを投じた計画で、調整後の列には、2021年12月10日のラ・リーガ総会で合意した支払いと控除が反映されている。
2024/25は、レアル・マドリード、バルセロナ、アスレティック・クラブの3クラブが調整で7.66%増えた。アトレティコは1億1,107万ユーロから1億817万ユーロへ約2.6%減り、1部のほかの16クラブもほぼ同じ割合で減っている。調整の計算方法は公表文に書かれていない。調整前の1億1,107万ユーロで比べても、アトレティコはサウサンプトンを下回る。