※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。営業時間や料金は変更される可能性があるため、訪問前に公式サイトでの確認を推奨します。
ステップ1:午前──マドリード市内で"助走"をつける
試合は夜。ならば午前中はマドリードを歩こう。
おすすめの起点はレティーロ公園(Parque del Retiro)。マドリード最大の都市公園で、面積は約125ヘクタール。東京の代々木公園の約2倍にあたる。園内の大きな池(Estanque Grande)ではボートを漕ぐこともできるが、マッチデーの午前は池のほとりを散歩するだけで十分。アルフォンソ12世のモニュメントを背景にした写真は、マドリード旅行の定番だ。
公園の西側出口から10分ほど歩くと、プラド美術館(Museo del Prado)に着く。ベラスケスの「ラス・メニーナス」やゴヤの「黒い絵」シリーズなど、スペイン美術の至宝が集まる世界三大美術館のひとつ。全部を回ると半日かかるが、マッチデーなら1〜2時間に絞って主要作品だけを見るのが現実的だ。入場料は一般15€。月曜〜土曜の18:00〜20:00、日曜・祝日の17:00〜19:00は無料開放されるが、試合日の夕方はスタジアムへ向かう時間帯と重なるため、午前中に有料で入場する方が時間の使い方としては賢い。
レティーロ公園からプラド美術館、そしてこのあと紹介するネプチューン広場まで、すべて徒歩圏内。半径1km以内に収まるので、午前中だけで無理なく回れる。
ステップ2:昼〜午後──腹ごしらえとアトレティコの"聖地"を巡る
プラド美術館を出て北へ5分歩くと、ネプチューン広場(Plaza de Cánovas del Castillo)に着く。広場の中央に立つネプチューンの噴水は、1786年に完成した歴史あるモニュメントだ。そしてここは、アトレティコにとって特別な場所でもある。
アトレティコがタイトルを獲得すると、選手とファンはこのネプチューンの噴水に集まって祝杯を挙げる。一方、レアル・マドリードはシベレス広場(Plaza de Cibeles)で祝う。実は1991年以前、アトレティコもシベレスで祝っていた。1991年のコパ・デル・レイ優勝時に「レアルが使う噴水の水はもう汚れている」とファンが主張し、ネプチューンに移ったとされる。以来30年以上、ネプチューンはコルチョネロの祝祭の象徴であり続けている。通常のリーグ戦の勝利でファンが集まることはないが、タイトル決定の瞬間にマドリードにいられたなら、迷わずここへ向かおう。
ランチは、ネプチューン広場から地下鉄で2駅のラ・ラティーナ地区(La Latina)がおすすめ。マドリードで最もバル(Bar)の密度が高いエリアで、特にカバ・バハ通り(Cava Baja)には50軒以上のバルやレストランが軒を連ねる。タパスを2〜3皿とカーニャ(小グラスの生ビール)で10〜15€が相場。試合前に重すぎる食事は避け、タパスをつまむ程度にしておくのが吉。マッチデーの緊張感と期待感を、ビールの泡と一緒に味わう時間だ。
ひとつ重要なアドバイス。メトロポリターノ周辺のサン・ブラス=カニジェハス地区は住宅街で、飲食店の選択肢が限られる。ランチは必ず市内中心部で済ませてからスタジアムに向かおう。
ステップ3:試合3時間前──スタジアム周辺に到着する
地下鉄7号線でEstadio Metropolitano駅へ。ソル駅から乗り換え含めて約40〜50分(アクセスの詳細は「初めてのメトロポリターノ完全ガイド」を参照)。
スタジアムに着いたら、まず公式ショップ(Tienda Oficial)を覗こう。メトロポリターノ店は通常、月〜土曜10:00〜20:00、日曜・祝日11:00〜20:00の営業だが、試合日は試合開始時刻まで営業し、試合後も1時間ほど開いている。ユニフォームのネーム&ナンバープリントはその場で対応してもらえる。試合後は混雑するので、試合前に立ち寄る方がスムーズだ。
次に向かいたいのがベンディータ・ロクーラ(Bendita Locura)。スタジアム南東側、ゲート39〜41の間にあるクラブ公式のバルだ。「Bendita Locura」はスペイン語で「愛すべき狂気」──アトレティコを愛することの本質を一言で表したような名前である。ドリンク、サンドイッチ、ハンバーガーなどの軽食を提供しており、試合前のファンが集まる定番スポットだ。赤と白のユニフォームを着たファンに囲まれながら飲む一杯は、スタジアムに入る前から気分を高めてくれる。
入場開始は試合の約90分前。入場時の注意事項やスタジアム内の食事情報は「初めてのメトロポリターノ完全ガイド」にまとめてあるので、そちらを確認してほしい。
ステップ4:試合後──余韻を味わう
試合が終わった瞬間、6万8,000人が一斉に出口へ向かう。最寄りのEstadio Metropolitano駅は大混雑する。ここで覚えておきたいのが、地下鉄2号線Las Rosas駅を使う裏技だ。スタジアムから徒歩15〜20分の距離にあるが、ほとんど混まず、始発駅なので座れる可能性も高い。ソル駅まで乗り換えなしで直行でき、トータルの所要時間はMetropolitano駅利用と変わらないか、むしろ短いこともある。体力に余裕があれば断然おすすめだ(詳細は「初めてのメトロポリターノ完全ガイド」を参照)。
ソル周辺に戻ったら、まだ夜は終わらない。マドリードのバルは深夜まで営業している店が多く、試合後に軽く飲み直すには困らない。プエルタ・デル・ソルから徒歩5分圏内にバルが無数にあるので、雰囲気の良さそうな店にふらりと入ればいい。カーニャを注文し、試合のハイライトをスマートフォンで振り返りながら、同じく帰路についたアトレティコファンと目が合えば、言葉が通じなくても笑顔で「Aúpa Atleti」と言い合える。それだけでマッチデーの締めくくりとしては完璧だ。
補足:モデルスケジュール(21:00キックオフの場合)
ラ・リーガの試合は21:00キックオフが多い。以下は、その場合の1日のモデルスケジュールだ。キックオフが早い試合(16:00や18:30など)の場合は、午前の観光を短縮するか別日に回して調整しよう。
10:00 レティーロ公園を散歩(約1時間)。11:00 プラド美術館で主要作品を鑑賞(約1.5時間)。12:30 ネプチューン広場を経由して写真撮影。13:00 地下鉄でラ・ラティーナへ移動、カバ・バハ通りでタパスランチ(約1.5時間)。15:00 ホテルに戻って休憩。ユニフォームに着替える。17:30 地下鉄でEstadio Metropolitano駅へ(約50分)。18:30 公式ショップ→Bendita Locuraで試合前の一杯。19:30 入場開始。スタジアムの雰囲気を体感。21:00 キックオフ。23:00 試合終了。Las Rosas駅から帰路。23:45 ソル周辺のバルで乾杯。アトレティコのいる1日が終わる。