PKまでは0-0で膠着していた。0-3は内容以上の結果だ

アノエタで0-3。得点は3つとも84分以降に入った。82分、ロメロが競ったボールがオチエンの腕に当たってPKになり、グリマルドが決めて先制。90分にはグリマルドが運んだカウンターからジョナサン・デイビッドが左足で流し込んで加入後初ゴール、アディショナルタイムにはハンツコのパスを受けたジュリアーノがハーフウェイから一人で走り切って3点目を決めた。

スコアは内容以上だと思う。PKまでの82分間、両チームのxGを足しても0.84しかない(FotMob)。この82分間でxGが一番大きかった1本は、77分にアルナウの持ち上がりからデイビッドが打ってレミロに止められたシュートで、それでも0.18。前半のアトレティコは枠内シュートが1本もなく、コーナーキックはソシエダが6本、こちらが2本だった。あのハンドがなければ、膠着したまま0-0で終わっていた可能性が高い。交代でボールが落ち着いてからは流れを少し良くすることもできていたが、それも替えてすぐではなく、70分を過ぎてからだった。

アスレティック戦、リバプール戦と続いた連敗はこれで止まった。今季の公式戦で、アウェーで無失点に抑えたのはこれが初めてで、アノエタで3点差をつけて勝ったのは2012年1月の0-4以来になる。マタラッツォは会見で「ボールは先に太ももに当たっていて、オチエンは腕を引いていた」とPKの判定を否定した。

変えたのは中盤の強度と落ち着き。コケとカルドーソが入ってからだ

前半は押し込まれていた。タックルは45分で1本しかなく、地上のデュエルは34%しか勝てず、敵陣でのパスは57本(ソシエダは138本)。バリオスがいない中盤はジョレンテで、その前のバエナとイ・ガンインが背負って受けるところをソシエダに狙われていた。シメオネの言い方だと「イ・ガンインは背中で受けることが多く、あの位置では閉じ込められる」。

59分から60分にかけて、バエナ、ジョレンテ、イ・ガンインを一度に下げてカルドーソ、デイビッド、コケを入れた。ここからPKを得る82分までの23分間、シュートはソシエダ1本に対してアトレティコ4本。ただ、替えた直後はまだソシエダのコーナーとソレルのミドルを受けていて、続けて打てるようになったのは70分のカルドーソからで、77分のデイビッド、78分のヒュルマンドと続いた。4本のxGを足しても0.38で、作ったチャンスの質は高くない。

試合を変えたのは中盤の強度と落ち着きだったと見ている。コケは21本のパスのうち19本を通し、ファウルもなかった。シメオネは「走ることではなく、ボールが別の速さで走ることが問題になる時がある」と話し、探していたのは「中盤の強さと、プレーするための落ち着き」だと言った。デイビッドとアルナウがゴール前で起点になれたのも、中盤でボールが落ち着いてからだ。

ロメロには安定感がある。グリマルドは、安定して適応したわけではない

ロメロは安定感がある。クリア11回はチーム最多で、デュエルは5勝1敗、ファウルはなかった。82分のPKも、彼の競り合いから。ハンツコ、プビルと並ぶ3バックの真ん中にいて、ソシエダに許したボックス内のシュートは90分で2本だけだった。

グリマルドには1ゴール1アシストがつき、FotMobはチーム最高の評点をつけた。ただ、安定して適応したわけではない。クロスは4本中2本、地上のデュエルは6回中3回で、33分にスチッチへ許した決定機はヒュルマンドとのお見合いから生まれた。本人も「前半は最高ではなかった。ボールをミスし、デュエルで負けた」「プレシーズンも休暇もなく新しいチームに入るのは難しい」と話している。

PKは今季アトレティコが得た最初の1本。昨季はアルバレスが6本蹴り、彼がいない試合ではルックマンが蹴った。この日はアルバレスが筋肉の張りで招集外、ルックマンは76分に下がっていて、ピッチにはキャリアで41本のPKを蹴ってきたデイビッドと、試合の中で蹴った9本をすべて決めているハンツコがいた。誰がグリマルドをキッカーに指名したのかは、会見でも、読んだ範囲の報道でも出ていない。昨季のレバークーゼンでは、シックと並んでチーム最多の5本を蹴って4本決めている。批判されることも多かったが、PKという形ではあれ、ここで数字を付けられたのは本人にとっても良かったのではないか。

オサスナ戦はデイビッド先発で時間を渡して、ダービーの最適解を探りたい

デイビッドは30分の出場でシュート2本がどちらも枠に飛び、xGOTは0.90あった。リーガで出たのはこの30分が初めてだ。先発がルックマンとイ・ガンインだったのは、一緒にプレーしてきた時間が長いから。シメオネは試合前にそうデイビッドに伝えていた。最前線でスタートして後半は左に回ったルックマンは、敵陣ボックス内のタッチ5回とチャンス創出3回がチームで最多で、ボールには絡んでいたが、76分間でシュートが1本もなかった。

水曜のオサスナ戦はデイビッドを先発させて、時間を渡すべきだと思う。そのうえで、日曜のダービーに向けた現段階の最適解を決めたい。バリオスは右脚のヒラメ筋を痛めていて、Marcaの見込みではオサスナ戦もダービーも欠場になる。アルバレスは筋肉の張り、ソルロートは8月からの筋肉の故障で、どちらもダービーに間に合うかは、クラブから見通しが出ていない。中盤の2枚と最前線の1枚は、オサスナ戦で決めてダービーに持っていきたい。

次戦は9月16日(水)、メトロポリターノでオサスナ戦。日本時間では17日の2時キックオフ。その4日後、20日(日)の23時15分にレアル・マドリードを迎える。

レーティング

先発

選手ItCFotMob寸評
オブラク57.890分。セーブ3本はすべてボックスの外からのシュートで、41分のセルヒオ・ゴメスの直接FKを左上で止めた。前半には足元のミスからコーナーを与えている。
プビル57.490分。右CBと右SBの中間の位置で、パスは40本中36本、ロングボールは4本すべて通り、地上のデュエルは4回とも勝った。
ロメロ67.690分。空中戦は2回とも勝ち、ヘディングのクリアが6回。ItCは「騒ぎと無縁でいられる限り、今季のアトレティコに極めて重要な選手になる」と書いた。
ハンツコ-7.590分。3点目のアシスト。42分にはコーナーからボックスの左で右足を振ったが枠の左へ外れた。ブロック2回、クリア3回。ItCは採点していない。
ジュリアーノ58.590分。右ウイングバックで始め、60分以降は前線へ。デュエル8勝、タックル3回、リカバリー8回はいずれも野手ではチーム最多。3点目はxG 0.59の速攻だった。
ジョレンテ47.160分まで。バリオスの代役で中盤の右。チャンス創出2回、ドリブルは2回とも成功したが、ボールを奪われた回数3はチーム最多タイで、地上のデュエルは7回中3回。
ヒュルマンド57.590分。パスは53本中48本で91%。ヘディング2本(24分、78分)はどちらも枠の左へ外れた。被ファウル3回はチーム最多。
グリマルド68.790分。PKと2点目のアシストで、FotMobのPlayer of the Match。タッチ70回はロメロに次いで2番目。63分のミドルはレミロの正面だった。
イ・ガンイン46.560分まで。5分にボックスの右から左足で打ったが右へ外れ、その後は消えていった。パスは22本中15本、ボールを奪われた回数3。
バエナ46.859分まで。インターセプト3回はチーム最多だが、抜かれた回数4とファウル3もチーム最多で、地上のデュエルは9回中2回。20分の直接FKはブロックされた。
ルックマン46.876分まで。最前線で始め、途中から左サイドへ。ドリブルは3回中1回、ボールを奪われた回数3。63分のグリマルドのミドルは彼のパスから。

交代出場

選手ItCFotMob寸評
カルドーソ56.159分からバエナと交代。70分にデイビッドからのパスをボックスの外から右足で打って左へ外した。75分に警告。パスは14本中10本。
ジョナサン・デイビッド67.760分からジョレンテと交代。アトレティコでの初ゴール。77分の1本はレミロに止められ、90分の1本を左足でゴール左下に決めた。
コケ66.460分からイ・ガンインと交代。ロングボール2本とクロス1本はすべて通り、ファウルもなかった。ItCは「ピボーテとメディアプンタの役割を行き来して、中盤に少し構造を与えた」と書いた。
アルナウ・オルティス56.576分からルックマンと交代。14分間でパスは4本すべて通り、地上のデュエルは3回中2回。77分に中央を持ち上がってデイビッドのシュートを作り、81分にはアランブルからファウルをもらった。

※ItCレーティングはInto the Calderón、FotMobレーティングはFotMobより引用。