前半はこちらの試合だったのに、後半の入りで終わった

サン・マメスで0-3。前半は0-0で折り返したが、後半が始まって30秒ほどでニコ・ウィリアムスに決められ、その2分あまりあとにロベルト・ナバーロにも決められた。3点目は90分、オイハン・サンセトがカウンターから決めたものだ。

数字だけを見れば、内容の差はスコアほど大きくない。保持率は62%、シュートは15本対11本、xGは1.02対1.41。ただし、FotMobが数えるビッグチャンスは0対3で、決定機の数でははっきり負けている。3分のイ・ガンインと前半アディショナルタイムのパブロ・バリオスがポストに当てているので、当たりどころがもう少し内側なら、違う試合になっていてもおかしくなかった。ItCも、前半はアトレティコがほぼ試合を握っていたと書いている。

シメオネはMovistar+にこう話した。「後半、試合は5分で持っていかれた。すべてが変わるには2分で十分だったとさえ言える。相手はその2つの場面で決め切り、試合の流れをうまく生かした。そこからは引いて、はるかに整った形で守った」。会見では責任の所在にも触れ、「後半の立ち上がりに必要なものをコーチングスタッフが伝えきれず、選手たちも自分たちだけでは見つけられなかった」と説明している。

リーガでサン・マメスに来て3失点したのは、シメオネ政権では2013年1月以来になる。同じリーガでアスレティックに0-3で負けたのも、その試合以来だ。全公式戦まで広げると、2024年2月のコパ・デル・レイ準決勝で同じ場所で0-3を食らっている。

引いてきた相手を、また崩せなかった

2点差になってからは、持っているというより持たされていた。アスレティックははっきりと引き、66分にジョアネコが入ってからは、彼とアレソを両サイドに置く5バックで低い位置にコンパクトなブロックを組んでいる。後半のアトレティコは保持率66%、敵陣で成功したパスが前半の115本から206本へ増えた。それだけボールは持てたのに、後半のxGは0.70で、決定機に最も近かったのは、71分のフリアン・アルバレスの左足シュートをウナイ・シモンが止めた1本だけだ。

最終ラインで左右に動かすところまでは無難にできるが、そこから相手のブロックの中へ入っていく手がない。最後は90分、ベニャト・ゲレナバレナが右から入れたボールをジョニー・カルドーソがクリアしきれず、こぼれ球をサンセトに決められた。持たされた挙げ句のカウンターという、いちばん嫌な形だ。

これは今季初めて出た問題ではない。昨季もホームのベティス戦は保持率65%で0-1、アウェイのセビージャ戦は68%で1-2と、引いた相手にボールを持たされて落とした試合があった。9番を置かない今の先発の並びは、前から来る相手にはセビージャ戦のように奪ってからの速攻で裏を突けるが、引かれると背負って収める選手も、ボックスの中で待つ選手もいない。セビージャ戦のレポートで、引いて構える相手に当たったときが本当の試験だと書いたが、その答えが1試合目で出てしまった。

ただ、これは2点差になる前から起きていた。前半も26分の給水タイムを過ぎるとアスレティックはブロックを下げてハイプレスをやめ、そこからはアトレティコが敵陣で回す時間が続いたが、前半の枠内シュートは23分のアレックス・バエナの1本で終わっている。シメオネも会見で「相手はローブロックでとてもよく働き、フリアンの1本を除けば、後半にこちらに重要な得点機会を作らせなかった」と認めたが、引かれると手詰まりになるのは点差がつく前から同じだった。

グリマルドは2失点目の軽さが目立った

2失点目は、こちらのキックオフ直後に自陣の右サイドでボールを失い、再開から15秒ほどで決められたものだ。イニャキ・ウィリアムスのスルーパスで走ったナバーロが、エリア内で切り返しひとつでアレハンドロ・グリマルドをかわし、左足でファーに流し込んでいる。ItCは「ナバーロの2点目でひどく裏をかかれた。構造が崩れるなかで最後の砦だった」と書いて10点満点で2点をつけ、Marcaの実況担当は「グリマルドは2つの失点のどちらにも絡んでいる」と書いた。

攻撃でも数字を残せなかった。タッチは90回あったが、クロスは6本蹴って1本も通らず、チャンス創出は0回、敵陣ボックス内のタッチは2回。今季3試合で成功したクロスは3本にとどまる。彼にまず求めたいのは左で違いを作ることで、この試合も左で仕掛けられそうな場面は何度かあったのに、どれも形にならなかった。

それでも、位置取りについては、個人的には悪くなかったと思っている。FotMobのヒートマップの記録点を平均すると、この試合のグリマルドは右のマルコス・ジョレンテより10mほど前にいた。高ければいいというものではないし、攻撃で持ち味が出た試合でもないが、高い位置で受けられる場面があったこと自体は悪くない材料だと見ている。夏にマッテオ・ルッジェーリとフリオ・ディアスを出した今、ItCが書くとおり本職の左サイドバックは彼ひとりで、個人的には、代わりを探すより彼を使いながら立て直すべきだと見ている。

収穫はイ・ガンインの右足と、バリオスの90分

3分の場面は、この試合でいちばん惜しかった。バリオスのパスを受けたイ・ガンインがユリ・ベルチチェを外し、エリア右から右足で振り抜いたシュートはファーポストの根元に当たってゴールラインを転がった。これまで印象に残っていたのは左足のシュートで、今季のリーガでも11本のうち8本が左足、右足は3本しかない。その3本はビジャレアル戦から出始めたもので、ポストに当てたこの1本は、右にも切り込んで打てることを示した。試合を通じて、相手が左足側を警戒しているのは感じられた。右にも行けると分かれば、寄せる側は足を出しにくくなるはずだ。

バリオスが90分プレーできていることも救いだ。今季はビジャレアル戦の24分を除いて3試合とも90分出ていて、この試合もタッチ96回、パス成功69/73、ファイナルサードへのパス11本で、チャンス創出3回は両チームで最多タイだった。イ・ガンインのポストも彼のパスからで、自分でも前半アディショナルタイムに右の角度のないところからポストに当てている。クオリティは相変わらず高く、FotMobの採点はチーム最高の7.7、ItCの5点も先発では最高タイだった。

9日はアンフィールド、修正する時間はほとんどない

シメオネは会見で「まだチームの構築段階にあり、当然、複雑な状況を通ることになる」と話した。それはそうなのだろうが、日程は待ってくれない。4試合で勝点7の7位で土曜を終え、9日はアンフィールドでチャンピオンズリーグのリーグフェーズ初戦、13日はレアル・ソシエダとアウェイ、16日はオサスナ、20日はレアル・マドリードをホームに迎える。12日間で4試合だ。

明るい材料を挙げるなら、アルバレスが59分から戻ってきたことだ。この日は最前線で待ち構えるというより中盤に降りて受けに行く場面が多く、守備でも相手を追いかける仕事をさぼらなかった。71分の1本は決定機だったから、あそこで得点かアシストの記録が残っていれば、復帰初戦としては言うことがなかった。

リバプールは前から来るチームだと思うが、先制したあとは戦略的に引いてくることもあり得る。引かれたときに何を変えるのかは、アンフィールドで早くも見ることになるかもしれない。

レーティング

先発

選手ItCFotMob寸評
オブラク44.6セーブ1本。ニコのヘディングには手が届いたが止めきれなかった。
ジョレンテ46.790分。先制点ではニコに競り負けた。79分と88分の枠内シュートはどちらもシモンに止められ、バリオスのポストは彼のパスから。
プビル4690分。序盤の混乱の中では落ち着いていたが、先制点ではボールウォッチャーになっていたとItCは書いた。
ハンツコ46.490分。先制点はイニャキのシュートが彼に当たってニコの前に落ちた。
グリマルド26.690分。2失点目でナバーロの切り返しにかわされた。クロス6本は1本も通らず、チャンス創出0。
ジュリアーノ25.359分まで。7分のシュートは枠外。ItCは技術型の攻撃陣のなかで浮いていたと書いた。
バリオス57.790分。タッチ96回、チャンス創出3回は両チーム最多タイ。前半アディショナルタイムにポスト直撃。
ヒュルマンド3759分まで。前半終盤の空中戦でイェライと頭部で衝突し、相手は裂傷で交代した。
ルックマン25.358分まで。ItCは目立つ場面がほとんどなかったと書いた。
イ・ガンイン4.56.759分まで。3分に右足でポスト。ドリブル成功3/3。39分にユリへのタックルで警告。
バエナ56.876分まで。23分の枠内シュートはシモンがセーブ。60分のロメロのヘッドは彼のCKから。

交代出場

選手ItCFotMob寸評
アルナウ・オルティス4.55.758分から。裏へ走り続けた数少ない選手で、71分のヘッドは枠外。
コケ56.759分から。パスは正確だったが、ItCは攻撃のテンポが落ちたと書いた。
ロメロ46.559分からアトレティコデビュー。60分のCKからのヘッドは枠外。3点目の前段でゲレナバレナに倒された。
アルバレス46.859分から。71分の左足はこの試合でチーム最大の決定機(xG 0.23)だったが、シモンがセーブ。
カルドーソ46.176分から。3点目はクリアが中途半端になり、こぼれ球を決められた。

※ItCレーティングはInto the Calderón、FotMobレーティングはFotMobより引用。