マドリーは圧倒的な強さを誇るチームではない。勝てる可能性は十分ある

ラ・リーガ第7節、レアル・マドリードをメトロポリターノに迎える。9月20日(日)16時15分、日本時間では23時15分のキックオフで、第6節を終えてマドリーとベティスが勝点15で2位と3位、うちは13で4位。勝てば、順位でマドリーの上に立つ。モウリーニョとシメオネがリーガのダービーで顔を合わせるのは、2013年4月以来になる。

マドリーはリーガ5勝1敗でも、アウェイの3試合はエスパニョールに2-1で勝ち、ベティスに0-1で負け、エルチェには2点差を追いつかれてから90分過ぎに途中出場のエスピが決めて3-2。ベティス戦からの4試合は全部失点している。圧倒的な強さを誇っているチームではない。一方のうちは、アノエタで0-3、オサスナに4-0と連勝して、内容もFotMobのxGで2.05と3.97。ここ2試合の品質は高いし、ホームでやすやすと負けるチームでもない。メトロポリターノでのリーガのダービーは9試合で3勝4分2敗、マドリーがここでリーガに勝ったのは2022年9月が最後だ。個の質はマドリーだと認めるけれど、点が取れないとは思わない。勝てる可能性は十分あると思っている。

避けたいのは、ホームなのに押し込まれて、主導権をずっと握れない展開だ。シメオネもそういう展開を想定したスタメンは組まないと思う。そのために要るのが中盤の守備力と保持力で、バリオスがいない今、そこを担う相方を誰にするかが、この試合の分かれ目になる。

キープレイヤーはカルドーソ。オサスナ戦の形をダービーでも見たい

キープレイヤーはジョニー・カルドーソにする。オサスナ戦は今季の公式戦で初先発だったが、良いパフォーマンスだった。85分で最終サードへのパス17本はチーム最多、1点目のグリマルドとのワンツーも、4点目のバエナへのスルーパスも彼だった。数字より気に入ったのはポジショニングだ。グリマルドが中に入っている間は、左に寄って空いたスペースを埋めていた。カルドーソがうまく補完することで、グリマルドの強みを生かせていた。

この形をダービーでも見たい。トランジションのときはグリマルドがボールを運んで、カルドーソがグリマルドの空けた左をケアするシーンもあるだろう。並びは4バックとは限らない。アノエタでは3バックで始めて、ハンツコが左のCB、グリマルドが左のウイングバックで、グリマルドはそこでPKを決めてアシストもつけた。オサスナ戦は4バックの左サイドバックで、1点目の折り返しがあった。アノエタと同じ3バックなら二人を併用できて、ハンツコを左のCBに置けばグリマルドの後ろもカバーできる。4バックのときは、左サイドバックをハンツコにするかグリマルドにするかで現地の予想が割れている。どちらの並びでも、ホームでは攻撃の強みに重きを置いて、グリマルドを左で先発させると思う。今季のリーガで抜かれた回数はハンツコが2回、グリマルドが5回だが、守備の部分は中盤と2列目が助ければいいし、アノエタの形ならハンツコが後ろにいる。シメオネも会見で「守備面では我々が彼を助け、彼が努力を高める必要がある」と言っている。

カルドーソが先発するかは分からない。現地でも中盤の組み合わせは予想が割れている。マドリーは奪った瞬間に縦へ出てくる相手だし、コケが食いついたあとに空くスペースを、ギュレルやムバッペが降りて使うことも考えられる。そこを誰が埋めるか、左の背後でボールを回収できるか。カルドーソが90分間、中盤の競争力を保ちつつ全体のバランスをとる役目を果たせれば、マドリーの脅威を感じる機会も少なくできそうだ。

デイビッドが先発で、フリアンは後半から。両方に強く期待している

最前線はデイビッドが先発で、フリアンは途中出場だと思う。デイビッドはスタッツ面の調子もよい。リーガ2試合98分で2得点、オサスナ戦は68分でシュート6本と敵陣ボックス内タッチ8回がチーム最多タイだった。前線にいる機会が多くて、ゴールチャンスに絡めている。周囲との連携も問題ないし、いまは冷静に決め切ってくれる信頼感がある。

フリアンは先週の練習で大腿四頭筋に張りが出て2試合欠場し、土曜に初めて全体練習をフルでこなして招集メンバーに入った。ケガ明けにはなるが、気合を入れて復帰に取り組んでいるという報道は出ていた。ロメロは「とても大きな努力をしている。先週の小さな問題からの回復だが、とても幸せそうで、意欲があって、この試合のために毎日トレーニングしている」と話している。アンフィールドでは今季初めて90分プレーして、シュート3本をすべて枠に飛ばし、先制点のアシストもあった。しっかりボールを受けられていたので、限られた時間でも相手に脅威を与えられるし、後半に守備の強度を落とさないピースにもなりそうだ。ホームのダービーでマドリー相手に決勝点を決めれば、ファンの彼に対する見方も多少は変わると思う。昨季の5-2では、PKと直接FKで2点を取っている。この試合で決定的な活躍をすることは、この夏の騒動に対する一つの贖罪になると思うから、期待したい。

怖いのは、あっさり先制されて前がかりになったところのカウンターだ

シメオネは会見で「おそらく彼らの方が我々よりも切り替えが良く、ずっと縦に速い。ボールを奪ったときの第一の選択肢はムバッペ、第二はヴィニシウス」と言った。ムバッペはリーガ6試合で7得点、90分あたりのシュート数はリーグで最も多い。あっさり先制されて、取り返そうと前がかりになったところを、この前線の質でカウンターから追加失点する。それがいちばん怖い。ロメロは彼らについて「試合中ずっと集中していないといけない。1メートルも与えてはいけない。時にはいないように見えて、2、3分で」と言い、2022年W杯決勝のムバッペを例に「80分間支配していたのに、最後の10分に現れて、何もないところから2点取って試合を変える」と話している。今季のリーガでの失点6は、すべて後半だ。当たり前のことを述べるが、常に一切油断せず集中することが、この試合をものにする最低条件だ。

両チームのスカッドにも触れておく。バリオスは右脚の筋膜損傷、ソルロートも筋肉系の負傷で招集外、どちらも代表明けの復帰見込みだ。マドリーはロドリゴ、ミリトン、メンディが長期離脱中で、出場停止は両チームともいない。現地の予想で割れているのは、右のギュレルかディオマンデかと、中盤でバルベルデと組む一人くらいだ。

この試合に勝てば、リーガのホームダービーの連勝は1976-77以来で、メトロポリターノでは初めてになる。試合のあとは3週間の中断に入り、次のリーガは10月10日(土)のアラベス戦、13日(火)にはCLでマンチェスター・ユナイテッドを迎える。